https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD031H10T00C22A8000000
オーラルフレイルは、加齢に伴って心身が衰えた虚弱状態(フレイル)の一種。食べたり会話をしたりするための口腔(こうくう)機能の軽微な衰えのことを指す。
老化・虚弱の入り口に
調査でオーラルフレイルと判定された高齢者は、その4年後に全身のフレイルになるリスクが2.4倍、要介護リスクが2.4倍、総死亡リスクが2.2倍それぞれ上昇していた。オーラルフレイルが全身の衰えや寝たきりにつながるケースが多いことが分かった。
調査を手がけた飯島勝矢・東大高齢社会総合研究機構長は「オーラルフレイルはけがや病気とは違って生活に直接支障が出るわけではなく、やり過ごしてしまいがちなため状態が悪化してしまう」という。
オーラルフレイルのセルフチェック表には「硬いものが食べにくくなった」「お茶や汁物でむせることがある」「口の渇きが気になる」――などが並んでいる。
負のスパイラルに注意
オーラルフレイルが進行すると、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、唾液分泌、発声といった機能がさらに低下して「口腔機能低下症」という病気として扱われることになる。2018年から歯科医院で検査や治療ができる保険診療の対象になった。
歯科医で実施する検査項目は7つ。「口腔衛生状態」「口腔乾燥」「舌の力」「かむ力」「唇や舌の運動力」「咀嚼能力」「嚥下」の各項目で専用の機械や質問用紙で評価し、7項目中3つ以上該当すると口腔機能低下症と判定する。
例えば「唇や舌の運動力」の検査では唇周りの筋肉を使う「パ」、舌の前方を使う「タ」、舌の後方を使う「カ」の音を、それぞれ5~10秒間に何回連続して発声できるかを測定。1秒あたり6回以上発声できるのが「合格」の目安だ。

コメントをお書きください