資産2億円超の会社員 上場時と上場後の2段階でもうける スゴ腕が仕掛ける年後半のIPO株投資(上)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB279GL0X20C22A7000000

 

今年の前半は上場後の初値が公開価格を下回る銘柄が相次ぐなど、IPO銘柄の売買やリターンは低調に終わった。年後半は盛り返すのか。有望視される銘柄はどれか。IPO銘柄の売買を得意としているスゴ腕個人の戦略や注目銘柄を探った。

 

「上場ラッシュの後は、上昇率が低めのIPO銘柄が上昇しやすい傾向がある。タイムサイクルを意識した投資を心掛けたい」

こう話すのは、投資ブロガーの会社員投資家、JACKさん(ハンドルネーム)だ。バーテンダーや予備校講師など、様々な職を経験したこの異色の経歴の持ち主は、株式投資などを通じ、2億円超の資産を築いた。

JACKさんのIPO投資の基本は、上場前に株を購入するプライマリー投資。日中、会社員として働く傍ら、業務前後の時間を使って自分自身で企業分析したり、「トレーダーズ・ウェブ」などの有料サイトの初値予想などを参考にしたりして投資する銘柄を決定する。気になる点は企業のIR(投資家向け広報)に電話をしたり、該当業種に詳しい人に教えてもらったりするという。

「証券会社から勧誘されるIPO銘柄は概して人気がなく、上場後に買いが集まらず、公募・売り出し価格(公開価格)を下回るケースがある。営業マンの話をうのみにせず、自分で調べることが重要だ」(JACKさん)

6月上場のイーディーピーはその成功例だ。同社は単結晶ダイヤモンドの製造・販売を手掛けている。JACKさんは、8200円の初値で同社の株を売却。その後の売買でも利益を得た。

「公開価格が5000円と値がさ株であることから、応募を敬遠する投資家が多かった。だが、他ではまねできない重要な特許を持ち、業績が右肩上がりで成長している点に大きな魅力を感じた」(JACKさん)