ギグワーカー、米で急増 料金上昇 ウーバー運転手500万人

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歴史的なインフレに伴ってサービス料金が上昇し、働き手への配分が増えているためだ。米ウーバーテクノロジーズの各種アプリで働く人々は1年前に比べ31%増えて500万人近くに達し、新型コロナウイルスの感染拡大前を上回って過去最多となった。

「米国でライドシェアに専念する運転手は1時間あたり37ドル(約4900円)を稼いでいる」。ウーバーが2日に開いた2022年4~6月期の決算説明会。ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は魅力的な収入によってライドシェアや料理宅配などの各種サービスを担うギグワーカーの獲得がかつてなく好調だと明らかにした。

米調査会社のYipitDataによると、ウーバーの1回の乗車あたりの料金は22年4~6月に全米平均で20ドル95セントとなり、データが確認できる17年以降で最高を更新した。乗客から受け取るサービス料金の7割前後は運転手に配分されるため、ギグワーカーの実入りも増えている。

料金相場上昇に比例してウーバーが受け取るアプリ利用手数料なども増加し、2日に発表した22年4~6月の売上高は前年同期比2.1倍の80億7300万ドルとなった。

保有株の評価損などで最終損益は26億100万ドルの赤字(前年同期は11億4400万ドルの黒字)に転落したものの、現金創出力を示すフリーキャッシュフロー(純現金収支)は3億8200万ドルの黒字に転換した。

米国の失業率は約50年ぶりの低水準で、労働市場の需給逼迫は続いている。ウーバーのアプリに運転手が集まる理由は高収入だけではない。生活費が高騰するなか、定職に就きながら副収入を得ようとする人々の動きがギグワーカー人気に拍車をかけている側面がある。