oViceCEO ジョン・セーヒョン氏 仮想雑談、アイデア生む

2011年、京都工芸繊維大への進学を機に韓国から来日した。在学中から起業を経験し、求人サービス会社などを経営した。

転機は20年春。新型コロナウイルス禍で出張先のチュニジアから帰国できなくなった。同僚らとビデオ会議でやり取りした際に「雑談やアイデアが生まれにくい」と感じた。この体験を基にバーチャルオフィスを開発した。

バーチャルオフィスはイラストで社内の会議室や受付などを配置し、利用者は自身のアイコンを動かして行き来する。アイコンを同僚の近くに置けば、実際の職場のように会話の内容を聞いたり、話しかけたりできる点が特徴だ。提供開始から2年で導入先は2000社を超えた。

今後はオフィス回帰を見込み、遠隔勤務する社員と出社した社員の交流を促す新たなサービスに知恵を絞る。リアルとオンラインの融合を極め、競合する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズなど世界の巨人に挑む。

オンライン上でバーチャルオフィスを提供するoVice(オヴィス、石川県七尾市)のジョン・セーヒョン最高経営責任者(CEO)は意気込む。リモートワークで難しくなった同僚との雑談は、新たなアイデアを生むために欠かせないとみる。