三菱商事、純利益2.8倍 石炭高が寄与 4~6月、三井物産は44%増

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63134490S2A800C2TB1000

 

原料炭価格の上昇などで金属資源事業の利益が拡大した。三井物産の純利益も44%増の2750億円となり、資源高が両社の業績を押し上げている。

 

三菱商事の4~6月の純利益は23年3月期の見通し(8500億円)の63%に達する。野内雄三最高財務責任者(CFO)は通期見通しを「上方修正していく可能性が高い」とした上で、「世界経済の減速や資源価格の下落、ロシア・ウクライナ情勢、世界的な金融引き締めなどもあり、経済の不確実性が高まっている。精査の上で見定めていきたい」と述べた。

原料炭価格の上昇などで、金属資源部門の利益が前年同期比3.9倍の2548億円と急拡大した。自動車・モビリティ部門は1台当たりの採算が改善し、円安も寄与した。不動産運用会社の売却益841億円を計上したほか、北米の樹脂建材製品など資源以外の部門も好調だった。

三井物産の純利益も4~6月期として過去最高となった。金属資源事業は鉄鉱石相場が下落したが、石炭や銅相場が堅調だった。原油やガス価格の上昇も貢献した。

資源以外では北米での自動車リース事業や穀物トレード、東南アジアのヘルスケア関連事業などが利益を押し上げ、米国やシンガポールの不動産売却益も計上した。同日、発行済み株式総数の3%にあたる5000万株を8月31日に消却すると発表した。