https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62884780V20C22A7EN8000
総合的な値動きを示す東証REIT指数は25日、前週末比0.15%高の2001.34と6月10日以来、約1カ月半ぶりに2000を回復した。米金融引き締め加速の織り込みが進み、米長期金利が低下傾向にあることから持ち直した。
米連邦準備理事会(FRB)による急速な利上げ懸念が高まった6月中旬には米長期金利は3.4%台を付け、REIT指数は急落した。その後急速な利上げ懸念の織り込みが進み、7月24日には2.7%台まで低下した。金利が低下するなかで、高い利回りが得られるREITへの注目が再び高まった。不安定だった世界の株式相場が回復基調にあることも投資家心理を改善させている。
25日には商業用施設を多く組み入れるフロンティア不動産投資法人は約6年ぶりの高値を、高齢者施設などを組み入れるヘルスケア&メディカル投資法人は上場来高値を付けた。
みずほ証券の大畠陽介シニアアナリストは「ホテルも底堅い」という。2021年末比の騰落率ではいちごホテルリート投資法人(16%高)や森トラスト・ホテルリート投資法人(2%高)などが上位に入る。7月に入り国内での新型コロナウイルスの新規感染者数は過去最高水準で推移するものの、「これまでのような行動制限に関する話が出ていないため重荷になるとの見方は限られる」(大畠氏)という。
もっとも、時価総額が上位の日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人などの回復は鈍く、指数上昇の勢いに欠ける。また今週は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で6月に続く大幅利上げの実施が予想されるほか、日銀の政策修正懸念も払拭されたわけではない。6月ほどの不透明感はないものの、予想外の材料が出れば不安定な値動きとなる可能性も残り、上値は重く推移しそうだ。

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