金融緩和に積極的なリフレ派の片岡剛士氏の後任として金融政策を決める審議委員の一角を担う。エコノミスト時代に日銀が掲げる2%の物価目標の達成は難しいと指摘。緩和の長期化が市場機能や金融機関の収益を悪化させると副作用に警鐘をならしてきた。
1982年に日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行し、みずほ証券やみずほ総合研究所、岡三証券で40年間にわたって市場と向き合ってきた。日銀が長短金利操作を導入した際は政策の枠組みを事前に予想していた。
東大経済学部では小宮隆太郎氏のゼミで通説に流されず理論に基づく姿勢を学んだ。英オックスフォード大に天皇陛下と同時期に留学し、パブやテニスで交流した経験も。趣味は小学生から続けるサッカーで「国際的な交流と視野に役立った」と話す。
仏文学者だった父の影響で「分析は真面目に、発信は面白く」を心がける。大規模緩和の出口戦略を想定し、日銀の財務や金融機関への影響をまとめた著作もある。近著では資産価格の安定を重視した経済政策の必要性を説いており、緩和の効果と副作用のどちらに重点を置くか注目が集まる。

コメントをお書きください