円が対ドルで一段と下落するとの思惑が高まっている。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62840020S2A720C2ENG000/

 

通貨の売り買いする権利を取引する通貨オプション市場で、さらなる円安を予想する取引が増えている。21日に日銀の金融政策決定会合を通過し、日本と米欧の金融政策の違いが改めて浮き彫りになり、再び円安が進む可能性が意識されている。

円の対ドル取引で「プット(売る権利)」から「コール(買う権利)」の需要を差し引いたリスクリバーサルと呼ぶ指標で、市場参加者による円相場の先行き予想を推測できる。円安を警戒したプットの需要が高まると、指標の数値が上がる。

1カ月物のオプション取引でみたリスクリバーサルは21日に一時マイナス0.53%、3カ月物は一時マイナス0.70%とどちらも約1カ月ぶりの高水準をつける場面があった。マイナス幅が縮まるほど円の需要が対ドルで下がっていることを意味する。

日銀は20~21日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決めた。金融緩和の継続は市場の想定通りだった一方で、同日に欧州中央銀行(ECB)が0.5%の利上げを決定するなど改めて日銀の緩和姿勢が鮮明となった。