米住宅販売、減速感強く 6月中古、2年ぶり低水準

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金利の急上昇や物件価格の高騰で需要が冷え込んでいる。住宅ローンの申請件数は22年ぶりの低水準に沈む。住宅投資の急な落ち込みは米国の景気後退リスクを高めかねない。

 

全米不動産協会(NAR)が20日発表した6月の中古住宅販売戸数(季節調整済み、年率換算)は512万戸と前月から5.4%減った。1月(649万戸)を直近ピークに減少が続き、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞していた2020年6月(484万戸)以来の少なさだった。地域別では西部(11.1%減)や南部(6.2%減)の落ち込みが目立った。

「住宅ローン金利と住宅価格の両方が短期間で急激に上がりすぎた」。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は販売低迷の背景をこう分析する。

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定の住宅ローン金利(週平均)は14日時点で5.51%と昨年末より2.4%高くなった。インフレ退治を急ぐ米連邦準備理事会(FRB)の強力な金融引き締め方針が住宅ローン金利を押し上げる。

NARの集計する中古住宅の販売価格(中央値)は6月に41万6000ドル(約5700万円)と前年同月比で13.4%上昇し、過去最高を更新した。伸び率は5月(15%)からやや鈍ったが、なお高い。一般的に需要が冷え込めば価格にも下落圧力がかかるが、現在は人手不足などの供給制約で市場に出回る物件が少なく、値上がりが続く。