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マンション販売、一転減少 首都圏1~6月、4.2%減 価格高騰や金利上昇が影響

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62766190Q2A720C2TB1000/

 

契約率は好調の目安となる7割を上回ったが、発売戸数は当初予想の前年比プラスから一転して減少に転じた。価格高騰や開発案件の減少を受け、不動産会社が慎重姿勢に転じつつある。

 

前年実績を下回ったのは2年ぶり。地域別では東京23区が減少した半面、埼玉県(29.3%増)や東京都下(6.2%増)は上回った。首都圏の平均価格は6511万円と1.5%上昇。上半期としては過去最高の20年(6671万円)に次ぐ水準だった。

発売初月の契約率は72.1%と好調の目安とされる7割を2年連続で上回った。販売在庫数も減少傾向が続く。不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「在宅勤務など働き方の多様化から郊外物件の人気が目立つ」と指摘する。共働き世帯の収入増や、低金利が購買意欲を下支えしてきた。

ただ、それでも発売戸数が前年を下回った背景に、市場環境の変調が見て取れる。

一つは価格に対する顧客心理の変化だ。不動産会社による用地取得費は近年高騰。資材高もあり、マンション価格は上昇してきた。「一部で(発売価格が)高すぎると感じる物件も散見される」(三井不動産レジデンシャルの嘉村徹社長)。

もう一つは住宅市場の先行き不透明感だ。住宅ローンの変動金利は0.4%程度となお低水準だが、「将来の金利上昇への懸念が一定程度、消費者心理に影響する」(住宅不動産助言会社トータルブレインの杉原禎之副社長)との見方が多い。

売り手である不動産会社側の事情もある。都心ではマンション建設に向いた遊休地の再開発は一巡。有望な土地の取得価格は今後も上昇が続く見込みだ。

「建築費も上がりマンションの発売戸数を大きく増やせない」(三菱地所レジデンスの宮島正治社長)として、各社の手持ちの開発案件は以前より減っている。

販売価格の先高観が強いなか、不動産大手は値引き販売して在庫消化を急ぐより、時間をかけて購入者を探す販売戦略にカジを切りつつある。ある不動産会社幹部は「売れる物件を見極め、需要が見込める戸数を慎重に決めていく」と話す。