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松竹、東銀座を「芝居の街」に 専務が語る再開発構想

松竹は老朽化が進む本社の東劇ビル(東京・中央)の建て替えを通じて街の活性化に貢献する。同社で不動産事業を担当する武中雅人専務に街づくりの展望を聞いた。

 

――東銀座まちづくり推進協議会が発足しました。

「東銀座エリアの活性化に向け、再開発について話し合う。不動産会社や金融機関、周辺の町会などで構成されており、松竹を含む計30団体が参画した。サービス面などで連携して良い街を作りたい」

「協議会の設立に伴い、松竹とその関連会社の歌舞伎座と新橋演舞場は一般社団法人『東銀座エリアマネジメント』を立ち上げた。協議会は再開発の方向性を検討し、同社団法人がにぎわい創出などの事業展開を担う」

――松竹は東銀座で複数の不動産を保有しています。

「歌舞伎座を備える歌舞伎座タワー、映画館のある東劇ビルのほか、銀座松竹スクエアや松竹倶楽部ビルなどもある。好立地かつ高スペックのビルで、オフィスが多く入居する。不動産事業の収益のうち、7~8割を東銀座周辺から得ている」

「松竹は映画関連事業と演劇事業を手掛けるが、どちらも作品の当たり外れに左右される。それらをバッファーとして下支えするのが不動産事業の1番の役割だが、それだけでは普通の不動産企業と同じ。得意の演劇や映像を売りにした街づくりをして、演劇界を支える」

――東銀座では多くの再開発イベントが控えています。

「銀座―臨海部を結ぶ『都心・臨海地下鉄』構想では、東銀座周辺に新しい駅ができる。東銀座からほど近い築地市場跡にも新しい施設ができるし、近隣の首都高速道路も遊歩道になる見込みだ。向こう20年ほどは再開発イベントが目白押しで、再開発を進める絶好の機会になる」

「松竹は本社機能を持つ東劇ビルを20年代後半にも建て替える予定だ。東京劇場の跡地に竣工したのは1975年で、老朽化が進んでいた。3階の映画館を1階に移して利便性を高め、歌舞伎座などとの間で相互送客をめざす。本社機能は近隣の東銀座エリアに移転することを検討する。移転で空くスペースにはオフィスかホテルを誘致したい」

――東銀座が抱える課題は何ですか。

「銀座と築地の間の通過点になってしまうことだ。東銀座を芝居の街にして人の目にとまるようにしたい。近隣の首都高の遊歩道も中村座のようなテント小屋をポップアップで出すことを検討している。そうすれば伝統芸能の集積地でありながら、現代や近代などの文化も楽しめる街になる」