https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF261DN0W2A620C2000000
木造戸建て住宅事業を子会社のタカマツハウス(東京・渋谷)に集約し、営業体制を強化する。2024年度までに営業人員を現状の3倍程度に増やし、現在は東京都心が中心の営業網を需要が集中する東京近郊にまで広げる。24年度にはタカマツハウスで足元の6倍となる売上高500億円を目指す。
4月に中核事業のゼネコンを担う高松建設の傘下だったタカマツハウスを、高松コンストラクショングループの完全子会社とした。さらに高松建設傘下で木造戸建て住宅を担っていたタツミプランニングなど2社をタカマツハウスの子会社とし、同社に住宅事業を集約した。
事業範囲を東京近郊に拡大
タカマツハウスはまず営業網を拡大させる。現在は営業人員の多くが渋谷区の本社に所属しており、東京都心を事業範囲としている。それを、24年度までに東京近郊に広げる。東京都心への通勤圏として人気を集める千葉県を開拓するための支店を新設するほか、東京都西部や神奈川県、埼玉県を担当する営業人員を5~6倍に増やす。営業人員は全体で約60人から24年度には180人体制となる。
藤原元彦社長は「郊外でリモートワークをするなど、持ち家志向が増えている」とみており、需要を掘り起こす。
まちづくりにも取り組む。郊外のまとまった土地を購入したうえで、10~20棟ほどの建売住宅を販売する。リモートワークに関心がある若いカップルに人気の神奈川県逗子市などを候補地にしている。住宅のエネルギー消費を実質ゼロにするゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を分譲することで、「太陽光パネルや蓄電池の設置を進めZEHタウンのようにできる」(藤原社長)という。
高松コンストラクショングループが住宅市場に注力する背景には、ゼネコンの低迷がある。新型コロナウイルス禍の営業自粛の影響もあり高松建設の22年3月期の売上高は785億円と前の期比12%減少した。グループの第二の柱として19年に完全子会社化したゼネコンの青木あすなろ建設も、22年3月期は売上高が789億円で同12%減った。そこで成長の第3の柱として住宅事業を位置づける。
人口減少や資材高騰が課題に
成長には課題もある。国土交通省によると建売住宅の着工戸数は21年度に前年度比11%増加している。ただ人口減少の影響で住宅市場が縮む可能性がある。営業力がある飯田グループホールディングスやオープンハウスグループといった建売住宅大手との競争も避けられない。資材価格の高騰や人件費の上昇も逆風だ。目標を達成するにはいくつもの課題を乗り越える必要がある。


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