ネトフリ、マイクロソフトと提携 広告付きプランで 成長左右する事業、大手と組む

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62595400U2A710C2EAF000/

 

広告を組み込むための技術や営業で同社と組む。会員数の停滞に悩むネットフリックスにとり、価格を抑えた広告付きプランの成否は今後の成長を大きく左右する。一大プロジェクトの提携相手として、実績と資金力のあるIT(情報技術)大手を選んだ。

 

ネットフリックスは4月、広告付きプランの導入計画を明らかにした。これまで広告がないことを売りにしてきたが、3カ月ごとに公表している動画配信サービスの会員数が過去10年で初めて減少に転じ、対策を打つ必要に迫られたためだ。広告のない従来のプランに加えるかたちで、22年中にも広告付きのサービスを用意する。

米調査会社モーニングコンサルトが3月に調べたところ、米国の成人の6割近くは「広告があってもより安価な動画配信サービスを好む」と答えた。

マイクロソフトにとっては広告事業に弾みをつける大型契約となる。同社の検索広告の売上高は21年6月期に85億ドル(約1兆1600億円)だった。サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は「長く利用できる広告の収益化プラットフォームを通じ、より多くの人がどこでも好きなコンテンツにアクセスできるようにしたい」と述べた。

提携発表を受け、13日の米市場でネットフリックスの株価は前日比で1.2%反発した。ただピークだった21年11月と比べると75%近く下がっている。広告付きプランについても「始まったばかり」(ピーターズ氏)として金額などの具体策を明らかにしておらず、投資家を安心させる材料にはなっていない。