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カナダ中銀が1%利上げ、G7で初 「異常な経済状態」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DGE0T10C22A7000000

 

利上げは4会合連続。直近の金融引き締めで1%の利上げに踏み切ったのは主要7カ国(G7)で初めて。4月から始めた量的引き締め(QT)も続ける。5月の物価上昇率は前年同月比7.7%とインフレが収まらず、物価安定のために引き締めを加速する。

カナダ銀による1%の利上げは1998年8月以来、23年11カ月ぶり。政策決定の会合後に公表した声明文では「物価の安定に注力し、2%の物価目標のために必要な行動をとり続ける」と説明した。市場予想の利上げ幅は0.75%で、予想外の上げ幅となった。

カナダの消費者物価指数(CPI)の上昇率は5月に前年同月比で7.7%となり、4月(6.8%)からインフレが加速した。1983年1月以来の大きさだ。13日の声明文で「インフレは持続的で、今後数カ月は8%前後で推移する可能性が高い」との見方を示した。

「一度にこの利上げ幅は非常に異例。異常な経済状態を反映している」。記者会見したマックレム総裁はこう述べた。「高インフレの持続を警戒する人が増えている。放置するわけにはいかない」と話し、インフレ封じ込めを優先する姿勢を強調した。

声明文では「さらなる利上げが必要と考えている」と今後も利上げを続ける方針を示した。景気をふかしも冷やしもしない中立金利はカナダで2~3%と推定されており、利上げの継続は「中立金利の上限か、やや上方まで引き上げることを意味する」(マックレム総裁)。

同日発表した経済見通しでは実質国内総生産(GDP)とCPIの予測を4月時点から修正した。GDPは前年比成長率で22年に3.5%、23年に1.75%とし、それぞれ0.75ポイント、1.5ポイント下方修正した。CPIの同上昇率は上方修正し、22年に7.2%、23年は4.6%と予測。2%台の物価上昇に戻るのは24年と見込む。

カナダでは金利上昇から住宅ローンの借り入れコストが上がり、住宅市場に影響が表れている。カナダ不動産協会(CREA)によると、5月の住宅販売件数は前月比で8.6%減少した。前年同月比では22%の減少だ。季節調整済みの住宅価格指数は前月比で0.8%低下。2カ月連続の下げとなっており、住宅価格はピークアウトの兆しを見せている。

一方、米連邦準備理事会(FRB)は6月に0.75%利上げした。13日発表の6月のCPIは前年同月比9.1%上昇とインフレが収まらず、米債券市場では7月の会合で1%の利上げを実施するとの予測が約5割に達している。

世界中でインフレ沈静化の動きが見えず、主要国の中銀は金融引き締めを急ぐ。ハンガリー国立銀行は12日、政策金利を2%引き上げた。韓国銀行は13日、政策金利を初めて0.5%引き上げた。