平時にマンションに供給する電気の調達量を調整し、投資回収する。無償での蓄電池の設置は珍しいという。まずは3~5棟に導入して採算が取れるか確かめ、5年後までに500棟への導入を目指す。
電気室や駐車場に容量50~100キロワット時の蓄電池を置く。一般家庭8世帯が1日に消費する電力に相当する。災害時は住民が共用スペースでのスマートフォンの充電や炊飯に使える。導入費用約1000万円は中央電力が負担する。蓄電池は価格が高く、既設のマンションでは管理組合の合意を得られず、導入しづらい難点があった。
中央電力は電気を卸電力市場から調達している。晴天の昼間など取引価格が安い時間帯に電気を買って蓄電池に充電し、高価格での調達を減らすなどして投資回収する方針だ。既存顧客のマンションに蓄電池を置くことで、設置場所を無料で確保できる利点もあると判断した。
中央電力は電力会社から高圧の電気を買って低圧に変えて、マンション内の全戸に一括供給するサービスを手がける。マンション約2200棟を顧客としており、売上高は21年3月期で326億円。

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