https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62288710U2A700C2CK8000/
中学受験をするかどうかは、家庭で総合的に判断してもらうしかない。経済的な余裕があるか、子ども本人の意欲が高いかという点を中心に考える。子どもがスポーツや習い事に熱中しているとか、親の仕事が忙しくて勉強の応援ができない状況で、無理をして受験をする必要はない。
小学生のうちから勉強をした方がよいかという点については「受験をしないとしても、ご家庭で勉強しておきましょう」と答えた。
世界に目を向けると、経済が急速に発展したことで教育に力を入れている国が多い。十数年後、そういう国の人材と仕事をしていくことになる。日本の小学生の勉強量の少なさには正直不安を覚える。
父親の最大の懸念は「丸暗記」だろう。「ひょっとして大学受験を暗記で乗り越えてこられたのでは」と聞くと、大学受験も資格試験も、集中して覚えることで合格したそうだ。
普通は自分の学習方法に自信を持ち、子どもに押し付けがちになるのだが、そこに疑問を抱くのは柔軟な方だと思う。「中学受験は暗記だけでは乗り切れません。知識の運用を競う受験です」とお話しした。
ただし、最低限の知識が必要なので多少の暗記はある。また、入試で知識の運用が問われるのは事実上、中堅校以上に限られる。
このため学習の流れに乗れない子は知識を暗記するだけの勉強に追われ、入試でも知識の運用までは求められないことになる。
そうした現実があることが「中学受験は丸暗記」と誤解される原因の一つだろう。繰り返すが中学受験は必須ではない。暗記に追われるだけの学習になっていたら、親がリードして方針を見直してほしい。
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