https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62227990R00C22A7MM0000/
同事業に日本から参加する三井物産や三菱商事は今後、運営の枠組みから排除される可能性が出てきた。
大統領令は新たな運営主体としてロシア側が設立する有限法人を指定。三井物産や三菱商事が出資する現在の運用主体であるサハリンエナジーから、すべての資産や従業員、権利関係を引き継がせる。
サハリンエナジーの外国株主は新しい有限法人の株主として参加できるが、ロシア当局から提示された条件に同意することが前提だ。条件をのめなければ、日本の商社はサハリン2への関与を失うことになる。
大統領令によると、外国企業はロシア政府が新会社を設立してから1カ月以内に株式取得に同意するかを通知する必要がある。出資継続が認められない場合はロシア政府が定めた基準を満たすロシア企業に株式が売り渡される。
サハリン2から日本勢が排除されれば収益への影響も避けられない。三井物産は22年3月期にサハリン2を含むLNGなどで純資産の減額を806億円、減損損失など209億円を計上。三菱商事もサハリン2で減額500億円を計上した。追加の減額や減損の可能性は「契約の中身がどうなっていくのか次第だ」(商社)と含みを残す。
ロシアによるウクライナ侵攻開始を受け、シェルは2月末に撤退方針を表明していた。報道によると同社はインドのエネルギー企業連合と権益の売却交渉を進めている。中国のエネルギー企業も買収に関心をもっているという。一方、日本の商社は株主としてサハリン2の事業に参画し続ける方針だった。

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