新型コロナウイルス禍の収束を見据えて国内外から観光客が増加し、リゾートホテルの宿泊需要が回復するとの期待が強い。大和証券が目標株価を引き上げたことも材料視され、買いが集まった。
東急不HDは5月に公表した中期経営計画で、2026年3月期の連結営業利益を22年3月期比43%増の1200億円とする目標を示した。大和証券の増宮守氏は27日付のリポートで「利益計画は予想以上」と評価し、目標株価を790円から870円に上げた。
東急不HDは国際的なスノーリゾートのニセコを含め全国にスキー場やホテルを保有する。証券ジャパンの大谷正之氏は「オフィスビル賃貸やマンション販売が堅調のなか、インバウンド(訪日外国人)を中心とした旅行需要の増加も意識されている」と話す。
ただ予想PER(株価収益率)は約14倍と、競合の三井不動産(15倍)や住友不動産(11倍)などと比べ割安感は乏しい。29日の東急不HD株は高値更新後、利益確定売りが出て2円(0.3%)安の729円で取引を終えた。株価が上値を追うには「期待が実際のホテル稼働率や業績に表れてくることが必要だ」(国内証券)との声があった。

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