大王製紙、会長が退任 総会直前、取締役再任案を撤回

前日までの議決権行使状況から株主から信任を得られていないと判断したといい、佐光氏から候補を辞退する申し入れがあった。総会では同氏以外の11人の選任議案を諮り、承認可決された。総会後の取締役会で、同氏は代表権のある会長を退き、名誉顧問に就くことを決めた。後任の会長は置かない。

佐光氏は2011年に社長に就任し、21年4月に会長に就いていた。大王製紙の21年の株主総会では佐光会長の賛成比率は約72%と低かった。大王製紙株の約24.8%を握る筆頭株主の北越コーポレーションが、これまでの総会では佐光氏の取締役再任に反対票を投じてきていたとみられる。

北越コーポレーションは、大王製紙の創業家などから株を譲り受けるなどして、筆頭株主になっている。過去には北越紀州製紙(現北越コーポレーション)が大王製紙が発行した新株予約権付社債(転換社債=CB)により株価が下がり損害を受けたとして、佐光氏ら発行時の経営陣に損害賠償を求めた訴訟も起こしている。

今回の総会では、剰余金処分や定款変更のほか、佐光氏以外の11人の取締役選任が全て承認可決された。