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住みながら自宅売却、高齢者の需要増 老後資金を確保 「ハウスドゥ」、物件取得1000件超へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC192RK0Z10C22A5000000

 

老後資金などの調達法となり、希望すれば物件の再購入もできるためだ。不動産仲介を手掛けるAnd Doホールディングスは2022年6月期に物件取得数が初めて1000件を超える可能性がある。ただ、相次ぐ企業参入でトラブルも散見されており、利用者に対する丁寧な説明は欠かせない。

 

ハウス・リースバックは不動産会社が立地や築年数などを調べた上で顧客の持ち家を買い取る。顧客は資金調達に加え、不動産会社と賃貸借契約を結ぶことで住み続けることができる。将来希望すれば、物件を再度購入することも可能なサービスだ。

高齢化が進むなか、老後資金の確保や住宅ローンの返済のため、ハウス・リースバックに対する高齢者の需要は高まっている。不動産業界で13年にいち早くサービスを始めたのが「ハウスドゥ」ブランドで不動産仲介を手掛けるAnd Doホールディングスだった。

同社の安藤正弘社長は「高齢者は老後資金が必要になるなか、不動産を所有していても現金を持つ人は少ない」と知り、持ち家を使った資金提供の方法を模索した。

調達法で多いのは持ち家を売却する形だが、それでは一過性の資金は入っても住まいに困る。そこで、引っ越しすることなく、家賃を払って住みながら持ち家の売却で資金を得るサービスを始めた。

同社は全国で直営やフランチャイズチェーン(FC)により、約700のハウスドゥの店舗を持つ。店に舞い込む依頼や営業担当者による営業活動で需要を掘り起こした結果、22年3月の単月物件取得数は190件と過去最高を更新。22年6月期は993~1060件と大台の1000件を超える可能性もある。取得物件について「立地などを見て売却可能かも考慮する」(花谷清明執行役員)なか、25年6月期には10年前の26倍の1440件まで伸ばす計画だ。

ただ、ハウス・リースバックを一段と浸透させるには課題もある。そのひとつが利用者に対する適切な説明だ。ニッチ市場ながら成長性が見込めるとして新規参入企業が増え、「当初の説明と話が違う」など不動産会社と顧客の間でトラブルも聞かれる。And Doホールディングスの安藤社長は「繊細な事業のため慎重にやっていかないといけない」と話し、業界全体で克服すべき問題と言える。

ハウス・リースバック以外では、高齢者が持ち家を担保に住み続けて資金を借りる「リバースモーゲージ」の活用も増えている。日常生活のため生活資金などは必要だが、住み慣れた家から引っ越しをせずに暮らしたい人は多い。顧客に寄り添ったサービスや対応が求められている。