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野党・共和党の予備選では上下両院と州知事選の合計でトランプ前大統領が推薦する候補の9割超が勝利した。2024年の次期大統領選出馬をにらむトランプ氏が根強い人気を維持している。
米選挙分析サイト「バロットペディア」のデータをもとに、トランプ氏が上院選、下院選、知事選の予備選で推薦した候補者の勝敗を集計した。
トランプ氏が支援する候補は全米に計163人いる。これまでに、現職と非現職(新人・元職)を含む候補者117人のうち108人が勝利した。勝率は92%に達する。
高い勝率には、歴史的なインフレが追い風になっている可能性がある。もともとトランプ氏の支持者が多いとされる低所得の白人労働者層らの生活を物価高が直撃しているためだ。支持基盤としてきたラストベルト(さびた工業地帯)の一角、東部ペンシルベニア州の上院選の予備選ではトランプ氏が推す医師でテレビ司会者のメフメト・オズ氏が勝利した。
南部サウスカロライナ州の下院選の予備選では支援したラッセル・フライ氏が、21年1月の米連邦議会占拠事件を巡るトランプ氏の弾劾訴追に賛成した現職のトム・ライス氏を大差で破った。弾劾訴追で賛成に回った議員の敗北は初めてとなる。フライ氏は「共和党の保守派が勝利した。ドナルド・トランプが勝った」と訴えた。
下院で弾劾訴追に賛成した10人のうち、6人が予備選に臨む。ライス氏だけでなく、8月に予備選がある西部ワイオミング州のリズ・チェイニー氏らにもトランプ氏は「刺客」候補を擁立した。チェイニー氏らは苦戦が伝えられている。
一方、南部ジョージア州知事選の予備選ではトランプ氏が推薦したデビッド・パーデュー氏が現職のブライアン・ケンプ氏に敗北した。ジョージア州は20年大統領選でバイデン大統領が1万票あまりの僅差でトランプ氏に競り勝った激戦州だった。ケンプ氏は同州でのトランプ氏の敗北を認定した。不満を募らせたトランプ氏が対立候補を送った因縁の州だった。

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