スイスの調査会社グラスノードが19日、直近3日間の急落局面で売られたビットコインについて購入時との価格差の集計結果を公表。3日間で73億ドル超(約1兆円)と過去最大の損失額に達した。含み益を保つ投資家は昨年末時点の約8割から、55%まで低下した。
ビットコインを売却した電子財布(ウォレット)について、いつビットコインを買ったのかなどを調べて集計したという。高値だった2021年の購入者だけでなく、1年以上保有している長期保有者からの売却も目立っており、ビットコインが下げ止まらないと考える投資家の増加が透けてみえる。
機関投資家が運用に使っていた上場投資信託(ETF)経由の売りも目立った。現物のビットコインを扱うカナダのパーパス・インベストメンツのビットコインETFが売られたことで、ETFを組成する運用会社は組み入れ対象のビットコインを売らざるを得ず、18日に2万4500枚のビットコインを売却した。買い手不足のなか、大幅に価格を押し下げる一因になった。
21日にはビットコインが下落すると利益が出る「インバース型」のビットコインETFが米国で初めて上場する。先物を売り立てる仕組みのため、足元で2万ドルを回復しているビットコインの価格下落圧力が改めて強まる可能性もある。
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