世界を変えたブランド広告(1)バーバリー「FESTIVE」 クリエイティブ・ディレクター 杉山恒太郎

昨今では「Brand purpose(ブランド・パーパス)」、企業は社会的存在意義を強く問われるようになった。世界最大の広告祭カンヌライオンズからその傑作品を紹介したい。

 

 

「2020年をこのように乗り越えられたら」、コロナ禍での応援メッセージと共にSNS(交流サイト)上で話題を呼んだバーバリーの動画はハリウッド・ミュージカルの名作「雨に唄えば」の現代版。この曲が流れるだけで雨中軽妙にステップを踏むジーン・ケリーの姿を思い浮かべる人も多いはず。しかも雨ではなく雹(ひょう)、この3年世界が直面した困難の表現か。

バーバリーといえばトレンチコートがシグネチャー、元々軍用から生まれたもの、英国の厳しい天候から「身を護る」が社会への約束。そう考えると「バーバリーチェック」を纏(まと)った若者たちが笑顔を絶やさずに踊るこのブランド広告はとても理に適(かな)っている(制作MEGAFORCE)。さて今回もARでぜひ動画を愉(たの)しんで戴きたく。21年カンヌライオンズクラフト部門金賞受賞。