https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1624P0W2A610C2000000
その中小企業を今度はロシア・ウクライナ情勢、原材料価格高騰、円安という新たな問題が直撃し、経営状態をより悪化させている。国内企業はコストアップに対して、どれだけ価格転嫁できているのだろうか。帝国データバンクが全国の企業に実施した価格転嫁の状況について紹介するとともに、直近での倒産動向の大きな変化を解説する。
コロナ融資受けた企業の倒産が最多
倒産動向が変化しそうな予兆は「コロナ融資後倒産」の件数にもあらわれている。同件数は22年5月までに累計で323件に達した。コロナ融資後倒産とは、倒産(法的整理)した企業のうち、政府系および民間金融機関による「無利子・無担保融資」を受けたことが判明した倒産を指す。
22年に入ってからのコロナ融資後倒産は1月(16件)、2月(20件)、3月(34件)、4月(32件)と推移してきたが、5月に単月として過去最高となる41件を記録した。323件を業種別に見ると「総合工事業」(31件)が最も多く、「飲食料品卸売」(24件)、「飲食店」(22件)、「職別工事」(21件)、「運輸」(18件)が続いている。
ゼロゼロ融資や協力金など国をあげて中小企業のために執行されてきた支援策の効果がロシア・ウクライナ情勢や資材価格高騰、円安などの新たな問題発生で帳消しになってしまうかのような状況になっている。「コロナが収束すれば……」という経営者の希望は過去のものになりつつある。

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