https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD16DQB0W2A610C2000000
投機筋の攻勢、政府・日銀は必死に防戦
日銀も巨額の国債買い支えで金利上昇圧力を抑えようとしており、17日の金融政策決定会合でも、長短金利を低位安定させる金融緩和政策の維持を決めた。
ただし、16日に買い戻されていた円が、17日の日銀の決定を受けていったん大幅に売られるなど、円安圧力はやはり根強い。今後も決定会合のたびに海外勢の動きは激しくなりそうで、為替・金融政策をめぐる思惑が市場を揺らす展開が当分続くと見ていい。
日本でも政治問題化する円安・物価高
もっとも、長期金利(10年物国債利回り)の容認上限を0.25%とする今の緩和政策をすぐに修正し、金利を上げられるかといえば、それも難しいというのが日銀の判断。住宅ローン金利上昇などを通じて景気への悪影響が懸念されるし、低金利に依存して運営されてきた財政政策にも負の作用が及びかねないという判断だ。
とはいえ、円も金利も安定させようという「いいとこ取り」は持続的でないと見る海外投機筋は、今後も決定会合が近づくたびに円や日本国債を売る攻勢に出そうだ。最終的には、円安抑止のために金融政策を修正せざるを得ないのではないか――。海外市場を中心に存在する見方だ。
金利コントロールにほころびも
0年債利回りを0.25%以下に抑えるという日銀の政策姿勢は、そうした物価情勢と整合的なのか。海外勢が着目するのはその点だろう。最近では残存期間10年未満の国債利回りが10年債利回りを上回る「異変」が発生。17日には10年債利回りも上限を大きく上回るなど、日銀の金利コントロールにほころびも見え始めた。
次回7月の決定会合に向け、投機マネーの攻勢は再び強まる可能性がある。政府・日銀は対応に追われるだろう。


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