https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61793470X10C22A6EA2000/
米債券市場の不安心理を示す「恐怖指数(予想変動率)」は、新型コロナウイルスのショック時を上回り、金利急騰への警戒が強い。大規模緩和から急速な引き締めへの過去にない大転換となり、低格付け企業の破綻など波乱の芽が生まれつつある。
米国の債券市場関係者の不安心理は、債券版「恐怖指数」と呼ばれる「MOVE指数」に表れる。3カ月先満期のオプション取引の価格から算出する同指数は15日に140台と、リーマン・ショック後の2009年8月以来の高さとなった。新型コロナで米国債市場が混乱し金利が急騰した20年3月の水準を上回る。
歴史を振り返ると米利上げは国内外の危機につながってきた。
1994年2月から1年間で計3%利上げした際は、米国債が買われる裏側でメキシコから資金が流出し、同国の通貨危機を誘発した。2004年6月から2年間で4.25%引き上げた際は、小刻みの利上げで住宅バブルの沈静化に遅れ、信用力の低い個人向け住宅融資「サブプライムローン」とその証券化商品の破綻が08年のリーマン危機につながった。
今年だけで3%超の利上げをめざす今回は、過去と比べても異例の速さになる。金融市場発の危機に不安がくすぶる。


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