総合的な値動きを示す東証REIT指数は15日、前日比3%安の1880.93と3カ月ぶりの安値を付けた。世界的な金利の急上昇を受け、海外勢を中心にリスク資産であるREITを手放す動きが強まった。
REIT指数の下落は4営業日連続。上場REITの61銘柄全てで投資口価格(株価に相当)が下落した。価格の下落(9日比)は大和ハウスリート投資法人(10%安)、日本プロロジスリート投資法人(9%安)など物流や大型の銘柄で目立ち、「これらを好む海外勢が売っていると推測される」(みずほ証券の大畠陽介シニアアナリスト)。
背景にあるのは世界的な金利上昇圧力だ。15日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍である0.75%の利上げが決まるとの観測から、株式相場が大きく下落。SMBC日興証券の太田千尋投資情報部部長は「機関投資家がいったんリスク資産を圧縮する動きが広がった」とみる。世界的にはREITは株に似た資産と捉えられる。
2020年春のコロナショック時には地方金融機関の投げ売りが広がり、REIT指数が1カ月で5割急落した。今回も「足元の下落をみて、含み益が出ている銘柄をいったん売って利益を確定している地銀もありそうだ」(岡三証券の並木幹郎シニアアナリスト)。
一方「為替リスクを負わずに高利回りを取れる商品は他にない」(九州地銀の運用責任者)として買い増しのタイミングをうかがう地銀もある。

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