https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC143XH0U2A610C2000000
同社は洗剤を使わず、アルカリイオン水で洗う独自技術を強みに店舗網を広げつつある。環境負荷をさらに低減する新型店として展開を目指す。
浦安市内で4月から実証実験店「wash+ PRIME 猫実店」の営業を、モニター客に限定して始めた。アルカリイオン水で洗う専用洗濯機を4台設置。ろ過した排水を循環させる透明のパイプを天井に張り巡らせた。利用客に環境への配慮をアピールする。シャープの小型ロボット「ロボホン」が洗濯機と連動しながら接客する娯楽性も取り入れた。
洗濯やすすぎに使った水はバックヤードに設置したろ過装置などで処理し、店内で繰り返し利用する。洗剤を使うより水の汚れ自体が少ないが、水処理など環境装置を手掛ける流機エンジニアリング(東京・港)のフィルター技術も活用し、浄化を徹底する。
ただ「排水を再び洗濯に使うことに抵抗感がある利用者もいるとみられる」(高梨健太郎社長)ため、実験店を通じてモニター客の反応を分析。水の循環システムに問題がないか、まず8月ごろまで検証する。結果を踏まえて多店舗化を目指す。
同社は浦安市内で不動産業を営む高梨社長が、2011年の東日本大震災に伴う土地の液状化で市内の水道が長期間使えなくなった経験も踏まえ、13年に創業した。洗剤を使わないことで通常のコインランドリーよりも約3割節水ができ、排水による環境負荷が低い。敏感肌やアレルギー体質の人からも好評という。
直営やフランチャイズチェーン(FC)で地盤の千葉県内から関西や中部地区などに店舗を拡大しており、現在は約40店。星野リゾート(長野県軽井沢町)も22年から沖縄県の西表島など国内外の運営ホテル内のランドリールームにwash-plusの洗濯システムを導入し始めている。
SDGs(持続可能な開発目標)など地球環境に配慮した事業活動が問われる中で、洗剤ゼロに加えて排水ゼロの「地球に優しいコインランドリー」(高梨社長)を進化させ、ホテル業界などとの連携も広げていく。


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