· 

金利見通し引き上げ観測 FOMC、インフレ加速で

約40年ぶりのインフレが加速し、市場ではこの会合で既定路線の0.5%ではなく、0.75%の利上げに踏み切るとの観測も出てきた。パウエル議長が新たな見通しをもとに年内の利上げペースをどう説明するかが焦点となる。

年末見通しは3月に公表した前回見通しの1.9%から3%程度まで引き上げる予想が多い。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現在0.75~1.00%。仮に年末の見通しが2.9%に修正されれば、年内の5会合で計2%の引き上げが必要だ。9月までの3会合で0.5%ずつ利上げし、11~12月は0.25%に戻すなどのシナリオが想定されてきた。

ここにきて市場ではFRBが今回の会合で0.75%の利上げに踏み切るとの見方がある。5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が40年ぶりの高水準となり、ガソリン価格は全米平均で初めて1ガロン5ドルを突破。インフレ退治には0.5%の利上げでは間に合わないとの懸念が出ているためだ。

米金利先物の値動きから金融政策を予想する「Fedウオッチ」によると、FRBが15日に0.75%の利上げをするとの予想は9割超まで高まっている。実施すれば1994年以来の大幅利上げになる。13日には0.75%の利上げに懐疑的だった米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが一転して「検討する可能性がある」と報じ、米ゴールドマン・サックスなども0.75%と予想する。

パウエル議長は5月の会合後、0.75%の利上げについて「積極的な議論をしていない」と否定し、6~7月に0.5%の利上げを続けると強く示唆していた。だが今回は想定以上のインフレを受け、市場が一段の利上げ予想を先んじて打ち出す事態になっている。

FRBは新型コロナウイルス禍後の人手不足の長期化を読み切れず物価上昇は一時的だと見誤り、インフレ対策が遅れたと批判を受けた苦い記憶がある。インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションが不安視されるなか、かじ取りは一段と難しさを増す。