https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA065ST0W2A600C2000000
日米欧30カ国の4月の生活費は1年前と比べ9.5%上がった。上昇ペースは新型コロナウイルス禍前の7倍に達し、経済のみならず政治も揺らす。ウクライナ危機に中国のゼロコロナ政策が加わり、資源高と供給制約が連鎖してコストを押し上げる。ヒト・モノ・カネの自由な動きが支えてきた低インフレの時代が変わりつつある。
「住宅購入者の半数が、その過程で泣いた」。米不動産情報会社ジローは2日、こんな調査を発表した。価格の高騰で、物件を予算内で探すのがどんどん難しくなっている。全米不動産協会によると、4月の中古住宅価格の中央値は39万1200ドル(約5300万円)と前年同月比15%上昇した。
日本経済新聞は経済協力開発機構(OECD)のデータから日米欧など30カ国の食料品(飲料含み酒類除く)と光熱費・家賃・住居費を合成した「生活費」物価指数を計算した。1年前からの上昇率は21年7月以降2%超え、22年4月には9.5%と2ケタに迫った。
上昇ペースはコロナ前の19年までの5年間の平均(1.3%)の7倍で、物価全体(7.6%)よりも伸びは大きい。生活に欠かせないモノやサービスほど値上がりしている様子がうかがえる。
生活費の上昇率はエネルギー高が襲う欧州で12.4%と2桁に達する。日本も4.4%と、ようやく2%に届いた全体のインフレ率を上回る。


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