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百貨店・衣料の売上高復調 5月既存店 7割がコロナ前に迫る しまむら、2%増/三越伊勢丹、98%に回復 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61679990T10C22A6TB0000/

 

コロナ禍の行動制限が解除された3月以降、旅行など外出を意識した衣料品や雑貨のほか、宝飾など高額品が好調だ。ただ原料価格や食品の上昇が続くなか、個人消費の先行きに不透明感も残る。

 

百貨店大手3社と衣料品・雑貨大手9社が公表する既存店売上高の前年同月比増減率を基に、計12社の販売がコロナ前(2019年)と比べてどこまで回復しているかを推計した。

22年に入ってコロナ感染者数は減少傾向にあり、小売り各社の販売は復調している。コロナ前の水準を上回ったり、9割まで回復したりした企業の数は3月が5社、4月が7社だった。5月が9社と22年に入って最多となった。

22年春の大型連休は緊急事態宣言がなく、行楽や買い物に出かける人が目立った。5月の既存店売上高は、しまむらと西松屋チェーン、エービーシー・マートの3社がコロナ前の水準を上回った。コロナ前の9割まで回復した企業はユニクロやアダストリア、ユナイテッドアローズなど6社に上る。

百貨店では、三越伊勢丹ホールディングスと高島屋の5月の既存店売上高(免税売上高を含む)がコロナ前と比べて9割超の水準に回復した。三越伊勢丹の5月の既存店売上高は21年同月と比べて約2倍に増え、海外ブランドや宝飾品といった高額品が好調だった。

中でも都心店舗の回復が目立つ。伊勢丹新宿本店(東京・新宿)の5月の売上高は、19年同月の水準を10%上回った。宝飾品や時計などの売り上げはコロナ前の水準を2桁上回ったという。コロナ禍で訪日外国人(インバウンド)客の需要がほぼなくなったが、「外商の販売が伸び、インバウンド客の減少を補っている」(三越伊勢丹)という。

3月にまん延防止等重点措置が解除され、行動制限が緩和された。行楽などの外出を楽しむ人が増え、衣料品や雑貨などの販売も伸びている。ユニクロの22年5月の既存店売上高は21年同月比17.5%増え、2カ月連続で前年実績を上回った。

ユナイテッドアローズは「前年の緊急事態宣言の反動などで客数が大きく回復した」として、5月はワンピースやスカートなど夏物衣料の販売が好調だったという。

外食ではファミリーレストランが復調している。大手ファミレス3社の5月の既存店売上高は、ロイヤルホストがコロナ前の水準を上回った。サイゼリヤは5月まで2カ月連続でコロナ前の9割程度の水準を維持した。一方で、居酒屋はファミレスほどの回復が見られなかった。