https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61648080R10C22A6EA5000/
5月末の英国などではディナーの予約件数はコロナ前の水準を大きく上回る水準に復調し、米国では微増になった。一方、日本は深夜帯の客足が戻りきらない。脱巣ごもり消費の追い風をどのようにいかしていくかが問われることになる。
人気レストランが集まるロンドンきっての繁華街、メイフェア。周辺には若者らが集まり、コロナ前と変わらないにぎわいを見せる。3月から入国時の規制も全てなくし、観光客も増えた。フランスから5月下旬に観光で訪れたエンゾ・グランクレマンさん(27)は、「(マスクをする人がほとんどいない)英国旅行は快適だ」と話していた。
けん引しているのが欧州だ。今春に規制をほぼ撤廃している英国は5月31日時点で19年に比べ38%増と回復。コロナ規制を世界でも早い段階で緩和してきたアイルランドは2倍強と大幅に伸びる。
ただ、日本の飲食店は欧米ほどには追い風をとらえきれていない。飲食店の予約管理サービスを手がけるトレタ(東京・品川)によると、全国約4200店の5月30日~6月5日の来店客数は19年同時期に比べて24.5%減。重点措置期間中(3月14~20日)の26%減よりも落ち込みが小さいが、時間帯別に見ると夕食以降の時間帯の利用が戻らないことが回復遅れの背景にある。
いちよし経済研究所の鮫島誠一郎首席研究員は「欧州のように外食需要が日本でも戻るだろうが、営業時間の短縮は続くだろう」と指摘する。ぐるなびが5月23~31日に加盟店251店を対象に集計した調査では、全体の22%がなお時短営業を継続していた。
水際対策の緩和などで世界で往来が再開しつつあるなかで、日本の飲食店も感染対策に配慮しながら、来店客を回復させていく工夫が求められそうだ。



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