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円下落、理論値より大幅安 経済状況でみれば110円前後の試算 日米金利差拡大で円売り加速も

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61651990R10C22A6EA2000/

 

物価や経済状況からみた理論値は1ドル=110円前後と試算され、実勢レートは理論値に比べ大幅に円安に傾いている。ただ、米国の物価上昇率が高止まりし、米金利の上昇観測は一段と強まった。日米金利差の拡大を手掛かりにした円売り圧力は週明けも続きそうな情勢だ。

 

今年の円相場の下落幅は約20円に達した。最大の要因は日米金利差にあり、2年金利の差は10日に3.1%台と2018年11月以来の水準まで広がった。マネーは運用上有利な金利の高い通貨に向かいやすい。

 

政府債務や交易条件など幅広い経済指標からみた理論値でも割安だ。日本経済新聞社と日本経済研究センターが算出する「日経均衡為替レート」では21年10~12月の理論値は1ドル=106円70銭だった。22年1~3月の日本の貿易収支や経常収支を反映した場合には115円60銭と、足元の相場と20円近く水準が異なる。