· 

亀田製菓の会長兼CEOに就く ジュネジャ・レカ・ラジュ氏 インド出身、海外展開を加速

少子高齢化が加速する日本で米菓市場の成長余地は限られる。異業種でも積み重ねたキャリアを生かし、グローバルフードカンパニーへの変革に挑む。

1984年、最先端の発酵技術を学ぶため来日した。日本語の習得などには苦労したが、研究に没頭する日々は充実していた。大学院で博士号を取得した後、太陽化学に就職。研究開発や海外事業に携わり、日本に帰化した。03年には副社長に抜てきされた。その後転じたロート製薬では、副社長のほか最高健康責任者(CHO)として社員の健康に関するプロジェクトも担った。

米菓は来日直後から好物で、インドに帰る時の手土産には必ず「柿の種」が入っていた。20年、偶然にも亀田製菓から請われて副社長に就いた。

人懐こい笑顔で日本語、英語、ヒンディー語を使い、社内外の人心をうまくつかむ。目下の課題は海外市場の開拓と、代替肉や米粉パンといった新しい事業の拡大だ。

「食という漢字は『人を良くする』と書く。亀田の商品で世界の食を豊かにしていく」。KAMEDAブランドの世界発信へ腕の見せどころだ。