https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61591730Z00C22A6EE9000/
日銀によると銀行が保有する2022年4月末の残高は219兆円と、06年5月以来16年ぶりの低水準に沈んだ。物価上昇で実質金利に低下圧力が強まる中、定期預金から投資信託など利回りが期待できる金融商品へ資金がシフトしている。低金利の長期化も定期預金の減少に拍車をかけている。
「ここ数カ月、毎月約1000億円規模のペースで定期預金が流出している」。ある大手行の担当者は打ち明ける。減少率は昨年の同時期と比べて3倍近くのペースに達するという。
日本では長引くデフレ下で預金が相対的に優位な状況が続いていた。デフレ下では表面上の金利が0%程度でも実質金利は一定のプラス幅が確保できたからだ。調査会社インテージが2~3月に調べたところ、「人生を豊かにする資産」に現金や預金を挙げた人の比率は71.5%。長引くデフレが米国(54.0%)、中国(66.8%)と比べて根強い預金神話に拍車をかけてきた。
だが、インフレ下では定期預金の魅力は低下する。たとえば2%のインフレのもと、1%で運用すれば実質金利はマイナス1%になる。実際、3メガバンクやゆうちょ銀行、りそな銀行の定期預金金利は0.002%と、実質でマイナスとなる計算だ。

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