https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61566210Z00C22A6MM0000
米抵当銀行協会(MBA)が8日発表した週次調査によると、3日までの週の申請規模を示す総合指数(季節調整済み)は前の週から6.5%下がり、22年ぶりの低水準になった。金融緩和から引き締めへ政策転換した米連邦準備理事会(FRB)の急ピッチの利上げ方針を反映して住宅ローン金利も大幅に上がり、借り換えと新規購入の両方で資金需要が落ち込んでいる。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、昨年末に3.1%だった30年固定の住宅ローン金利(週平均)は5月半ばに5.3%まで急上昇し、約13年ぶりの高水準になった。足元でも5%台で高止まりする。
新たに住宅を購入するためのローン需要も鈍っている。米連邦住宅金融庁(FHFA)の算出する全米の住宅価格指数は過去2年間で3割近く上昇した。金利上昇と相まって物件の値ごろ感は失われている。MBAで経済・産業予測を担当するジョエル・カン氏は「特に初めて住宅を買おうとしている人には厳しい状況だ」と指摘する。
米住宅市場では既に販売も減速し始めており、4月は中古住宅が3カ月連続減、新築戸建てが4カ月連続で減った。人手や資材などの不足で市場に出回る物件が少ないこともあり、住宅価格は上昇基調を保ってきた。だが「住宅ローン需要の急減は販売の急な落ち込みを示唆し、価格も容易に下落しうる」(調査会社のパンテオン・マクロエコノミクス)との声も出始めている。


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