まずは眠っている国民の資産の目を覚ます必要がある。個人の現預金は1000兆円を超す。利回りを平均で年1%引き上げられれば、毎年の収入が10兆円以上増える規模の話になる。税収も潤う。
そのためには運用の選択肢を広げる必要がある。非上場企業の株式、不動産、インフラなどを対象にするオルタナティブ(代替)投資が有望だ。2020年までの15年間はオルタナ投資の方が上場資産よりも利回りが高く、価格の変動は小さかった。オルタナ投資は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が増やしている。政府も踏み出す方針を表明し心強いが、より広く中間層にも道を開くべきだ。
個人に投資してもらうためには、投資リスクとリターンへの理解を高める必要があり、金融教育を大人向けにも充実させることが欠かせない。投資主体の幅が広がれば、金融市場の厚みも増す。
第2に、対日投資を増やす。自由主義国で国内総生産(GDP)第2位の日本は同盟国や友好国の企業からの投資を期待できる。外国企業は成果主義で業績評価は厳格だが、個人の競争力が高まる。日本での経済活動が脅かされれば投資した国や外国企業にとってもリスクになり、対日投資増加は日本の経済安全保障を強める。
第3に、豊かな自然の活用が考えられる。例えば、海に流出している天然の水を輸出できないだろうか。九州や四国はアジアの大消費地にも近い。また温暖化ガスを吸収する森林の排出権の価値を高められれば、森林整備の担い手も増える。非上場の事業主体を活用し、地域の人々が投資して、運営者は全国から募ることも選択肢になる。
第4に、日本のミスなく仕上げる力や清潔感を生かして資源リサイクル技術・システムや空気・水の清浄化事業を輸出産業として育成する。世界では循環型社会の構築が提唱されている。それに日本の技術で貢献できれば、国際社会での日本の発言力は高まる。
今の日本に最も必要なのは自助・共助を発揮し、自ら持つ資産・資源を活用して新たな取り組みに挑戦することだ。
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