https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC064FX0W2A600C2000000
「デジタルトラスト~信頼できるネット社会へ」をテーマに、高度化するサイバー攻撃や仮想空間の広がりによる新たなリスクにどう対処するかについて議論した。
NTTと共同で進めるトラステッドネットワーク構想だ。高速通信規格「5G」やNTTの次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」などの情報通信インフラを構成する通信機器やシステムで、不正なソフトウエアを検出する技術などを共同で開発した。サプライチェーン全体でセキュリティーリスクを低減する。
量子コンピューターが普及するとこれまでの暗号技術が簡単に解読されるようになる。森田社長は「理論上は絶対に解読できない量子暗号の研究を20年以上進めている」と自信をみせた。
巨大な仮想空間である「メタバース」を成長市場とみて取り組む企業が広がっている。これに対し、拡張現実(AR)を使ったゲーム「ポケモンGO」などを手掛ける米ナイアンティックのジョン・ハンケCEOは「現実から離れて仮想現実(VR)に没入することには賛成していない。自分の目で見て楽しむのが人間だ」と否定的な意見を示した。
同社は仮想のペットをAR空間で育てて、屋外であたかも実際に散歩をさせているように楽しめるゲームの展開を予定している。ハンケ氏は「ARは人を外に連れ出して、運動したり他者と交流したりすることを後押しするために使うべきだ」と説明し、交流手段がオンラインに偏ると、人は孤立し他者への寛容性が失われるとも指摘した。
午後のパネル討論では「ウェブ3」と呼ばれるブロックチェーン(分散型台帳)など新技術がもたらすイノベーションについて議論した。マネックスグループの松本大CEOは「ルールを決めすぎずチャンスを生かす環境づくりも重要だ」と話した。

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