https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61398220T00C22A6PPM000
金利と株価の関係は密接だ。好景気なら株価は上がりやすそうだが、実際はどちらかが上がればどちらかが下がるシーソーの関係にある。利回りが高まった債券に比べ、株式の魅力が薄まるためだ。
企業が利払い負担の増加に耐えられるかを示す指標の一つが「負債資本倍率(デットエクイティレシオ)」だ。略して「DEレシオ」と呼ばれる。企業の有利子負債が自己資本の何倍に当たるかを示し、値が小さいほど財務の安全性が高いと判断する。
日経500種平均株価の採用銘柄を対象にDEレシオを算出すると、旅行大手のエイチ・アイ・エスは足元で6倍台と高水準だ。新型コロナウイルス感染拡大前から借り入れを増やし、積極的なM&A(合併・買収)やホテル事業などに投資していたが、コロナ禍で観光需要が減り、自己資本も縮小した。楽天グループも3倍台と高い。携帯電話などの基地局の整備費用を社債発行などでまかなっており、赤字体質が続いている。そのほか不動産デベロッパーや鉄道会社など、事業を行う上で大規模な設備投資が不可欠な業種が上位に並ぶ。
一方、DEレシオが低い銘柄群には、空気圧機器のSMCや自転車部品のシマノといった現預金を豊富に持つ「キャッシュリッチ」企業が多い。余剰キャッシュは平時ならば資本効率の低下を招くが、「危機時には不況耐性につながり株主還元への期待も持てる」(岡三証券の松本史雄チーフストラテジスト)。

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