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積み立て投資、年2兆円ペース 若年層、老後に備え

大手ネット証券と独立系投信の計7社に聞き取りしたところ、3月の投資額は1584億円と月間で過去最高になった。年間で2兆円に迫るペースに増えており、投信の純流入額の2割に相当する。老後への不安で若年層が資産形成に動いており、日本でも長期の資産運用に資金が向かい始めた。

積み立て投資は一定額を定期的に買い、長期の資産形成に向くとされる。購入額に増減がある投信全体と異なり、個人の投資の普及度合いを推し量る指標になる。日本経済新聞がSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券のネット証券5社、セゾン投信、さわかみ投信の計7社を対象に毎月積み立て設定の投信の買い入れ額を調べた。

3月は1584億円と年換算で約1.9兆円になる。投信全体の純流入額は2019~21年の3年平均で約9兆円。積み立て投資の年2兆円の水準は、投信全体の純流入額と比べると2割に相当する。また個人の現預金は21年に35兆円増えており、現預金偏重は変わらないが、2兆円の水準は約6%に相当する。