https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61267860Q2A530C2ENG000/
大規模な金融緩和であふれたマネーが時価総額を押し上げていたが、投資家がリスク回避姿勢を強めたことで資金が一気に逆回転した。法定通貨との連動を目指すステーブルコインの安定性についても、懸念を払拭できていない。デジタル資産に詳しい投資担当者や元規制当局者に今後の展望を聞いた。
「無担保型へ監視強まる」 元米SEC委員長代行 マイケル・ピオワー氏
バイデン政権の最優先課題は中央銀行デジタル通貨(CBDC)とみている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、もし米国がCBDC創設を進めるなら、FRBが米議会から明確な権限を得る必要があると考えている。3月の大統領令がどのような結果をもたらすのか、見ていく必要がある。
「長期的価値は変わらず」 米投資会社DCG・ベンチャー成長投資責任者 ルミ・モラレス氏
デジタル・カレンシー・グループ(DCG)は10年近くデジタル資産とブロックチェーン分野に投資してきた。ボラティリティーは目新しくない。ブロックチェーンとデジタル資産が未来の経済に対して価値を生み出すとの信念は揺らがない。最近の価格下落が投資減速につながるか不明だが、歴史が示すように、最高の投資や企業のいくつかは弱気相場でつくられる。
3月の大統領令で米政府がデジタル資産分野で技術的なけん引役になる意思を示した意味は大きい。関係者は米国で規制環境をめぐる先行きを悲観的に考えていたからだ。大統領令で政府から明確な方向性が出され、少なくとも米国で仮想通貨関連の企業が閉鎖されたり、国外に追放されたりしないことが分かった。
「裏付け資産、検証不十分」 弁護士・元米FDIC銀行規制担当 ロス・デルストン氏
ステーブルコインの問題は(アルゴリズム型の)テラUSDに限らない。裏付けが米ドル建ての資産であると公に発表しても、コイン暴落時に対応できるのか分からない。米ドル建て資産の全部、または一部は市場で容易に換金できるものか、信頼できる会計事務所やその他企業によって独立的に検証されているのか、といった点が重要だ。
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