司会 東南アジアのスタートアップの特徴は。
藤井氏 我々は東南アジアの企業への投資に力を入れている。熱意とビジョンがある起業家が多い。政府もビジョンを持って支援している。米シリコンバレーに比べてユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の未上場企業)は限られるが(研究開発型の)ディープテック関連の企業が増えている。人材や投資家をいかにひき付けるかが今後の課題になるだろう。
司会 シンガポールのスタートアップを取り巻く環境は。
シュリラム氏 シオック・ミーツの前に2社起業しているが、シンガポールだからできた。政府の支援も手厚い。小さい国で人口も少ないが、東南アジアの中心に位置し、他の国にアクセスしやすい。最初に製品を試すうえでも利点がある。
司会 日本企業との協業をどう考えるか。
シュリラム氏 素晴らしい研究で知られる日本との協業は重要だ。東洋製缶グループホールディングスなど企業と協業するケースも出ている。
藤井氏 多くの日本企業が東南アジアのスタートアップに関心を持っている。ただ、残念ながら日本企業は技術を買い取ることだけに関心を示すケースもある。どのように社会課題を解決していくか、お互いから学ぶ謙虚さが重要だ。
司会 今後、世界で成功する企業が出るか。
藤井氏 東南アジア企業には文化的、学術的な背景を含め日本にはない多様性がある。技術革新に必須で潜在力がある。
シュリラム氏 私はこの会社をグローバル企業にするつもりで設立した。マレーシア、インド、中国、日本などでの事業展開を考えている。今後、7~8年で少なくとも5カ国で展開したい。

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