https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK245HW0U2A520C2000000
住宅の脱炭素のカギを握るのが断熱です。窓を二重にしたり壁に断熱材を入れたりして暖かくする断熱住宅は、省エネだけでなく、健康増進や産業振興にも役立ちます。
日本の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、家庭部門は1割強を占めます。脱炭素というと太陽光発電などの再生可能エネルギーに目が向きがちですが、そもそも断熱した暖かい家に住めば、エネルギー消費量や電気料金を減らせます。
断熱性能を示す等級は、これまで最も低い等級1から最も高い等級4までの4段階でした。国は断熱性能を引き上げるため、4月に等級5を設け、10月にはさらに上の等級6と等級7を新設します。
断熱性能が上がるとエネルギー消費はどのくらい減るのでしょうか。等級4に比べた削減率は等級5が2割、等級6は3割、等級7は4割といわれます。
法改正で等級4の断熱性能を新築住宅などに2025年度から義務付けます。最高だった等級4は最低ラインになります。欧米はすでに義務付けている国が多く、日本も遅ればせながら義務化に踏み切ります。
ただ欧米の断熱性能は等級6に近く、日本はまだ緩い水準です。住宅の断熱に詳しい東北芸術工科大学の竹内昌義教授は「等級6の断熱住宅に5㌔㍗の太陽光発電を備えると、CO2の排出量が実質ゼロになる。脱炭素をめざすには等級6への引き上げが必要だ」と話しています。


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