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東京・日本橋の問屋街、アートで活気 文化発祥地へ期待

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC250P90V20C22A5000000

 

閉店した空き店舗のビルを活用して小規模ギャラリーが相次ぎ開業し、流行に敏感な若手クリエーターたちが集結する。シェアオフィスなど働く場所の整備も進み、小売りをしない現金卸問屋が集積する街は、次世代文化の発祥地としても注目が高まっている。

4月、馬喰町に複数のギャラリーが集まるアートの複合施設「まるかビル」がオープンした。2~4階のそれぞれのフロアに、現代アートや、デジタル資産の複製を困難にする「NFT(非代替性トークン)アート」をコンセプトに作品が展示されている。もともとそば店だった築70年のビルを改装した。

アートファンからも注目されている。横山町で5月末に出展予定の女性は「告知の段階から問い合わせが多かった。反響は想像していた以上」と驚く。

ギャラリーの開業が相次ぐ背景には、横山町・馬喰町が日本有数の繊維問屋の集積地であることが関係している。

都営浅草線東日本橋駅、同新宿線馬喰横山駅、JR馬喰町駅の3つの地下駅に囲まれた「日本橋横山町・馬喰町問屋街」は交通のアクセスが良い。しかも老舗の問屋ビルは間口の狭い4~5階建てが内階段でつながる構造が多く、1棟まるごと貸し出すために、物販よりもテーマ別の展示室や倉庫、作業場などがあるギャラリーに向くのだという。