https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC26AUR0W2A520C2000000
森ビルは26日、東京23区を対象にした大規模オフィスビルの市場動向調査を公表した。今後5年間のオフィス供給量は年平均88万平方メートルと、過去の平均(104万平方メートル)を15%程度下回る見通しとなった。都心3区(港、中央、千代田)の割合は上昇する。働き方の多様化でオフィス戦略を見直す企業が増加。都心部の新築ビルの需要が根強い一方で立地面などで劣る既存ビルは苦戦し、二極化が進むと予想している。
調査の対象は東京23区で1986年以降に完成した事務所の延べ床面積が1万平方メートル以上のビル。供給量は22年5月上旬までの調査をもとに算出した。
22年の供給量は48万平方メートルと、1999年以来の低水準となる見込み。三井不動産が東京駅前で8月に完成させる超高層ビルの街区「東京ミッドタウン八重洲」などにとどまる。23年と25年は増加するものの、22~26年の年平均供給量は過去の平均(104万平方メートル)を下回るとした。
エリア別では都心3区が占める割合は今後5年で75%と、過去10年の平均(71%)を上回ると予測する。日本橋や八重洲、虎ノ門などが多く、森ビルの担当者は「延べ床面積が10万平方メートル以上の大型ビルの開発傾向も強まる」と説明する。
21年末の空室率は5.6%と20年末に比べ1.6ポイント上昇し、13年以来の水準となった。新型コロナウイルスをきっかけに定着した在宅勤務などを受け、オフィスの解約や縮小に動いた企業が増えたことが響いた。オフィス市場の注目点について、担当者は「新築物件に入居企業が移転するなか、既存物件の空室がどの位のスピードで埋まるか」と指摘する。
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