https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB206F30Q2A520C2000000
「東南アジア観光客が爆買い、脱デフレのきっかけに」
東海東京調査センター チーフストラテジスト 長田清英氏
新型コロナウイルス禍で閉ざされていたインバウンド(訪日外国人)による消費が、年内に復活するだろう。
足元で外国為替市場での円安が進んでおり、かつての「爆買い」が復活する可能性は高い。
コロナの感染再拡大などがなければ、いずれ外国人客による消費が、デフレを脱するきっかけになるかもしれない。
そうなると経済や株式市場にとっては大きなプラスだ。レストランや消費関連銘柄の株価を押し上げるだろう。
インバウンド消費が一定の円買い需要につながるだろうが、それでは力不足だ。数年後には1ドル=150円程度まで円安が進んでもおかしくないだろう。
いまはまだ米国でサービス業の景況感指数が中立水準である50を上回っており安心感があるが、これが50を割れると本格的にリスクが高まる。個人的には、来年景気後退になる可能性は50%ほどだと考えている。
「日本の物価上昇率、3年後10%に」
松井証券 シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎氏
平成の31年間、日本はずっとデフレだったが、令和は激しいインフレがくるのではないか。米連邦準備理事会(FRB)と違い日銀は物価目標を達成しても引き締めに踏み切れず、一度インフレが始まってしまえば歯止めがかからなくなるとみるためだ。2025年までには年率10%の物価上昇もあり得る。
食品・日用品メーカーを中心に、日本企業は横並び意識が強い。デフレ下では「値上げしない」という同調圧力につながっていたが、ひとたび値上げの波がやってくれば「便乗値上げ」を通じてインフレのスパイラルに入る可能性がある。
団塊の世代の引退にともない、これまでため込んでいたお金が相続などで現役世代の手に渡る。意外と消費が落ち込まず、インフレが止まらない展開も想定できる。
高インフレ下では、通貨の価値は下がる一方で名目の株価は上がる。最も資金が集まるのは不動産や金などの実物資産になるだろう。金利や通貨の価値が上がらない一方で不動産が上がるのだから、借金して不動産に投資する、という行動も増えるのではないか。

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