https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA23C3O0T20C22A5000000
「自由で開かれたインド太平洋」
特にインド太平洋地域で力による一方的な現状変更を許してはならないことを世界に発信できたと強調した。「4カ国の首脳が一致して世界に発信できたことは大きな意義があった」と訴えた。
「東・南シナ海での一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念やミャンマー情勢への対応などインド太平洋地域の情勢についても議論した」と述べた。「日米豪印は自由で開かれたインド太平洋に向けた幅広い実践的な協力を進める」と語った。
「インド太平洋地域で今後5年間で500億ドル以上のさらなる支援、投資をめざす」と表明した。
中国への対応を巡る連携の具体策を問われ「日米豪印は自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて様々な分野で実践的な協力を進めるための議論の場で、特定の国を対象としたものではない」と答えた。
ウクライナ情勢
日米豪印4カ国の首脳でウクライナ侵攻を巡り「懸念を表明する」と確かめたと明かした。「法の支配や主権及び領土一体性などの諸原則はいかなる地域でも守らなければならないことを確認した」と強調した。
「基本的な認識としてウクライナ情勢を巡りインドを含む4カ国の首脳で法の支配や、主権や領土の一体性などの諸原則の重要性を確認できた」と訴えた。
「立場の違いがあっても一致することができた。世界に一致したメッセージを発することができた意味は大変大きい」と述べた。インドがロシアと伝統的な友好関係を保ってきたことを念頭においた。
地域諸国との協力
首相は「地域の自然災害を効果的に支援するための4カ国の連携を強化するパートナーシップに合意した」と語った。
4カ国が保有する衛星情報を地域諸国と共有する取り組みを立ち上げたと明かした。防災や気候変動対策、海洋資源の持続的な開発などに活用できると説明した。
海洋状況の把握に向け、地域の情報共有を促進する枠組みの設置を歓迎したと明らかにした。債務問題に直面する途上国を支援すると確かめたとも表明した。
北朝鮮問題
4首脳は北朝鮮の完全な非核化に向けた連携で一致した。首相は北朝鮮でのコロナの感染拡大について「地理的空白をつくらないことについても議論した」と語った。北朝鮮による拉致問題の即時解決の必要性でも足並みをそろえた。
IPEF
インド太平洋経済枠組み(IPEF)の意義に関し「米国やインドが参加しているのが大きなポイントだ」と言及した。IPEFにより「インド太平洋地域の持続可能で包摂的な経済成長を実現する道を探っていきたい」とも述べた。
米国の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加は引き続き求める考えを示した。
日本のAUKUS参加の可能性
米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」への参加の可能性を問われ「入ることは考えていない」と否定した。「インド太平洋地域の平和と安定に資するものであり日本としては取り組みを支持する」と説いた。
「安全保障、防衛分野での重要なパートナーである豪州、米国、英国との間で様々な形で連携を強化していく取り組みはこれからもしっかり続けていきたい」と力説した。
太平洋島しょ国
「豪州との間では太平洋島しょ国との関係も議論になった」と明かした。太平洋島しょ国に関し「自由で開かれたインド太平洋を実現する上で大変重要なパートナーだ」と表現した。
「豪州をはじめ、米国、ニュージーランドといった同盟国・同志国と連携し、安全保障の分野を含め、太平洋島しょ国との協力についても、力強く進めたい」と語った。
日豪協力
「日豪は基本的な価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的なパートナーだ。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて日豪間の安全保障、防衛協力を進めていくことは極めて重要だ」と指摘した。
豪州のアルバニージー首相との2国間会談を予定していると明かした。岸田首相は「安保、防衛分野を含めて日豪関係の一層の深化を確認したい」と話した。
2023年の首脳会議
アルバニージー氏から来年のクアッドの首脳会議を豪州で開催するという提案があったと説明した。
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