https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD195VH0Z10C22A5000000
世の中はエネルギー・原料高で値上がり傾向なのに、現象だけをとらえるとデフレ時代のようにみえる。銀座の動きは何を物語っているのだろうか。
戦略的な意味が大きい銀座
ワークマンの場合、「国内での足固め」という狙いがある。今後、大都市などで100店の出店を計画しているが、現時点で「作業着をカジュアル衣料に展開したワークマン人気は一過性の動き」とみる向きもある。そこで銀座という一等地に店を構え、知名度を高める。顧客の支持率を上げるとともに、様々な出店情報を収集する狙いだ。もちろん通勤スタイルが変化し、「都心部でもカジュアル衣料を求めるニーズが強い」(同社)という実需面の価値も大きい。
こうした動きはかつての「ユニクロ」の戦略に似ている。ワークマンも同じだ。「銀座でも売っている店」という事実は、消費者の背中を押す効果を発揮する。
デフレとインフレが共存へ
現在の銀座の状況は確かに空室率が上昇し、銀座1丁目、2丁目に足を向けると店舗閉鎖やテナント募集の張り紙も散見される。2丁目にある名鉄グループの商業施設「メルサ銀座二丁目店」も22年8月、51年に渡る歴史に幕を下ろす。しかし銀座3~5丁目では高級ブランドの出店も旺盛で、賃料は平均すると底堅い状況だ。
ロシアのウクライナ侵攻の長期化などで様々な商品の値上げは続く見通し。こうなると低価格系と、値上げに強い高級ブランドとの二極化現象が加速する。まさに銀座ではダイソー・ワークマンとルイ・ヴィトンが住み分け、デフレとインフレが共存する「ショールーム」のような性格が強まりそうだ。




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