https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB17B4W0X10C22A5000000
波乱相場を戦うポイント
彼らの取り組みからは、波乱相場を乗り切るポイントが浮かび上がった。1つ目のポイントは、相場全体の下落に伴って割安になった株を仕込むことだ。
企業に勤めながら日本の個別株に投資し、40代で数億円まで資産を増やした御発注さん(ハンドルネーム)。収益バリュー(割安)株投資を得意としている。これは、将来予想される収益に比べて株価が割安な成長株を仕込み、大幅な値上がり益を狙う手法だ。御発注さんは今、収益バリュー株の銘柄を厳選して株数を厚めに保有している。「相場が弱い局面こそ成長株の仕込み時」と話す。
2つ目は、下値の堅い優待株や高配当株を仕込み、下落相場への耐性を高めること。御発注さんは、値上がり期待の成長株のみならず優待株や高配当株にも分散投資することで、ポートフォリオ全体のリスクを抑えている。
下落相場に備えて優待株や高配当株を保有するメリットは主に2つある。一つ目は、下値が堅い傾向があることだ。まず個人投資家の人気が根強い。また、価格が下がると配当利回りや優待利回り(株主優待の価値を金額に換算して株価で割って求める利回り)が上昇するので、押し目買いが集まりやすい。もう一つのメリットは、配当や優待が得られるので、定期的な収入が見込める点だ。
相場が軟調でも軸は変えない
波乱相場を乗り切るポイントの3つ目は、円安メリットや資源高の恩恵を受ける銘柄を保有することだ。かつて年収300万円の清掃会社社員だったwww9945さん(ハンドルネーム)。株式投資で2億円の資産を築き、アーリーリタイアを果たした。投資スタイルの軸は、日本の個別株投資。割安な成長企業の株に集中投資して、値上がりを待つ手法だ。米国株やベトナム株など海外株にも分散投資する。www9945さんは円安で増収が見込める海外売上高比率の高い銘柄を買い増しして、主力銘柄に据えている。
4つ目は、自身の軸となる投資スタンスは変えないこと。これは今回取材した4人全員に共通するポイントだ。
ウェブサイト「やさしい株のはじめ方」などを運営する兼業投資家の竹内弘樹さん。売上高が年5~10%、純利益が同10%以上で増加する「中程度の成長企業」の株を割安で購入し、大化け株をものにしてきた。
現在の運用資産は数億円に上る。成長株は軟調な相場が続くが、竹内さんは割安成長株主体の投資手法を貫く。中長期で業績の成長が期待できる中小型株を持ち続ける姿勢だ。
数億円の資産を運用する兼業投資家のみきまるさん(ハンドルネーム)。人気の株主優待が付いた銘柄を購入して大きな値上がりを狙う投資手法を編み出し、「優待バリュー株投資」と名付けた。みきまるさんは投資資金の全てを株式に投じて待機資金を持たない「フルインベストメント」の形を続ける。
株主優待が付いている約700銘柄を保有し、それらを「優待株いけす」と称して銘柄の観察を続けている。保有株は定期的に整理する。「有望だ」と思った銘柄は買い増すことでポジション(持ち高)を大きくし、逆に有望度が低い銘柄はポジションを落としている。買い増しの対象としているのは、商品やサービスの需要が拡大して業績が伸びると見込める銘柄だと打ち明ける。

コメントをお書きください