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山をサブスク、自由に遊ぶ キャンプ・散策の予約不要 未利用地の再生にも一役

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61009390R20C22A5MM0000/

 

会員は自由にキャンプをしたり、野山を散策したり。水も電気もないワイルドな雰囲気で山遊びができると、ベテランキャンパーや家族連れが集まる。

 

不便を楽しむ

 

まきの焦げる匂いと若葉の香りが山を抜ける。神奈川県在住の中山直之さん(49)は、新調したおのでまきを割り、ゆらめく炎を見ながら妻の三雅さん(45)とキャンプ料理を楽しむ。「週末に少し足を延ばしてゆっくり過ごせたら」と、たどり着いたのが東京都檜原村の「MOKKI NO MORI(モッキノモリ)」だ。約45ヘクタール(東京ドーム約10個分)に及ぶ森林を会員に開放する。

空へ伸びるスギやヒノキに囲まれ、車がやっと1台通れるほどの林道を進む。テントを張る場所はその日の気分にまかせ、間伐材を活用したまきでストーブを囲む。一般のキャンプ場のような設備はないが、「必要なものや道具を考え、準備をする過程が楽しい」と中山さん。

所有者にも利点

 

奈良県五條市の山あいで、ソロキャンプ歴3年の山本裕紀子さん(42)がテントを張るのは、かつて木材搬出のために利用されていたヘリポートだ。山本さんは利用者のマナーの悪さを目の当たりにして、キャンプ場を敬遠するようになった。「ここならのんびりできる」と、校庭ほどの敷地で一人の時間を満喫する。山の購入を考えたこともあるが、「災害が心配。レンタルなら気軽に楽しめる」。